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大阪地方裁判所 昭和52年(わ)114号 判決

被告法人

本店所在地

大阪府岸和田市藤井町一丁目五番三一号

商号

内外製綱株式会社

代表者氏名

寺本省吾

被告人

本籍

和歌山県海南市沖野々三四八番地

住居

和歌山市磯山町二丁目二番地

職業

会社役員

氏名

寺本省吾

年令

昭和三年三月一六日生

右両名に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官足達襄出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決した。

主文

被告法人内外製綱株式会社を罰金一、六〇〇万円に、

被告人寺本省吾を懲役一〇月に、

それぞれ処する。

被告人寺本省吾に対し、この裁判確定の日から二年間、その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人内外製綱株式会社は大阪府岸和田市藤井町一丁目五番三一号に本店を置き繊維ロープ及びワイヤーロープ等の製造販売業を営むもの、被告人寺本省吾は同会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人寺本省吾は、同会社の取締役会長寺本栄一と共謀のうえ、同会社の業務に関し法人税を免れようと企て、

第一  同会社の昭和四七年一二月一日から昭和四八年一一月三〇日までの事業年度において、その所得金額が一億五、四五六万四、一九一円で、これに対する法人税額が五、四八六万九、一〇〇円であるのにかかわらず、架空仕入の計上をするなどの行為により、右所得の一部を秘匿したうえ、昭和四九年一月三一日、大阪府岸和田市土生町二〇三一番地の一所在岸和田税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が一億二七二万七六一円で、これに対する法人税額が三、五八二万二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税一、九〇四万八九〇〇円を免れ、

第二、同会社の昭和四八年一二月一日から昭和四九年一一月三〇日までの事業年度において、その所得金額が三億九、一五二万四、七六七円でこれに対する法人税額が一億五、二九八万一、五〇〇円であるのにかかわらず、前同様架空仕入を計上し売上を除外するなどの行為により、右所得の一部を秘匿したうえ、昭和五〇年一月三〇日、前記岸和田税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が二億四、五〇四万二、四六五円で、これに対する法人税額が九、四三九万五、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税五、八五八万六、二〇〇円を免れ

たものである。

(法令の適用)

被告法人内外製綱株式会社につき

判示各所為

各法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項

併合罪加重

刑法四五条前段、四八条二項

被告人寺本省吾につき

判示各所為

各刑法六〇条、法人税法一五九条一項、二項(所定刑中いずれも懲役刑選択)

併合罪加重

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重)

執行猶予

同法二五条一項

以上のとおり判決した。

昭和五二年七月二二日

裁判所書記官 上田隆敏

(裁判官 栗原宏武)

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